府中かんきょう塾の第4回講座を開催いたしました。
今回の府中かんきょう塾では、東京農工大学を昨年度退官され、名誉教授となられ、現在も同大学に在籍しておられます高田秀重氏を講師にお迎えし、「水環境の保全に向けて:合成洗剤、プラスチック等の化学物質による環境・人への汚染を知る」についてご講演いただきました。
今回の講演は、かんきょう塾を主催する市民任意団体「かんきょう塾ネット」と府中市内で環境保全活動をされているNPO法人「府中かんきょう市民の会」とのコラボ企画として、本講座のひとコマを「府中かんきょう市民の会」が受け持ち、企画・実施したものです。
※府中かんきょう市民の会HP:NPO法人 府中かんきょう市民の会
講話では、前半に合成洗剤について、後半にマイクロプラスチックについてと、大きく2つの内容に分けてお話をいただきました。参加者は全92ページにおけるスライドを視聴しながら、講師の研究成果と合成洗剤やプラスチックにおける危険性、地域から世界における現状について分かり易く説明をいただきました。
合成洗剤ないしプラスチック由来の化学物質は、半永久的に環境に残留してしまうものもあり、自然軽減することを期待することができない以上、いかにこれを増加させずに生活していくことが重要か、ということの大切さを学ぶことができました。
個人レベルでできることは、食器用に限らずシャンプー・リンス等について、合成洗剤ではなくせっけん成分由来のものとすること、ペットボトルの使用を控えることなどが挙げられ、特に参加者が驚いた内容として、プラスチック製食品保存容器のままレンジで加熱すると特に液体である場合、1㎠から420万個のマイクロプラスチックが放出されるという説明がありました。普段さりげなくしていたことで、体内にマイクロプラスチックを取り込んでいる可能性が高いことのこと。このことからプラスチック製食品保存容器から陶器に移して食品を加熱することなどの対策が望ましいとのお話がありました。


講師自身が考えさせられた言葉として、ネイティブ・アメリカン(インディアン)の「土地は先祖からの授かりものではなく、子どもたちからの預かりもの」という一文があるとのお話があり、今の我々の行動はすべて自分たちの子・孫たちに帰ってくるものだという認識をしっかり持つことが大切だということを述べられ、参加者一同、深く考えさせられました。
結びとして、大きなレベルから個人レベルでできる対策の紹介をいただき、我々の生活に身近な存在である合成洗剤及びプラスチックに対して、問題認識、啓発となる素晴らしい機会となりました。
※スライド一部抜粋(個人での対応・未来へのアイデア)
【受講生の声】
・ポリマー微細化による添加物の曝露の問題を改めて理解した
・マイクロプラスチックに関してはある程度の認識はあったが、プラスチックに含まれる添加物が人間に対しての影響に付いては認識してなかったので、再確認しましたが、それに対する画期的な対応策がないものかと思われた
・難しい内容も親しみやすい内容も両方うまく配分されていて、最初から最後までずっと興味深く聞くことができました。講師の方の実際の生活上でのこだわりも聞け、えらい先生の話でありつつも同じ生活者の話として捉えることができました。友人などに共有したい内容だなと思いました。いろんなところで話したいと思います。
・素晴らしい講演をありがとうございました。大変に分かりやすくためになる内容で、行って良かった、今日は良かったと何度もつぶやいておりました。